ズシリと荘厳な図録『仏像 中国・日本』を印刷いたしました | (株)NHKプラネット近畿総支社 様
- 2022年12月15日
- 高精細印刷
仏教に関する情報は遣隋使・遣唐使などの交流によって、日本にも逐次伝えられて、そのなかで中国王朝との交易や僧侶との交流があったとされており、中国でつくられた仏像や仏画が日本の仏像芸術などに大きな影響をあたえたとされています。展覧会『仏像 中国・日本』では、大きく5つのテーマに分けて仏像が展示されました。
- 古代の人物表現 戦国~漢時代」
- 仏像の出現とそのひろがり
- 遣隋使・遣唐使の伝えたもの
- 禅宗の到来と〈宋風〉彫刻
- 新たな仏教・キリスト教との出会い
1から4までは時代ごとの仏像を展示するように構成され、5では安土桃山時代から江戸時代にあったキリスト禁教政策の日本で独自に生まれた潜伏キリシタンが信仰のよりどころとしてマリア観音などを展示していました。
その展覧会『仏像 日本・中国』の図録(図や写真を掲載した記録資料のこと、美術館や博物館において開催される展覧会のパンフレットのこと)の画像処理・印刷製造のお仕事をNHKプラネット近畿総支社さんよりご依頼をいただきました!
目的
● 実物の仏像がもつ荘厳さをいかに平面で再現するか、また紙面という2次元の限られたスペースでいかに「其の雰囲気」を読み手にとどける
課題
● 仏像とひとことで括れども、素朴な造形のものから、複雑な彫刻でつくられた仏像と多様な作品が展示され、それらを図録で紹介しています。いかに仏像がもつ「荘厳さ」を紙面に再現できるかが難しいところです。(図録のお仕事全般に言えることですが、「雰囲気」を再現することが難しいところです!)
● 写真の調子(画像の濃度や明暗の階調、コントラスト、明度と彩度を同時に考えた色調の総称)には大変シビアな仕事になりました。
アクション&ツール
● 弊社制作部には、画像処理の専門チームがあり、そこにプリンティングディレクター(略して、PDと呼ばれています)がいます。そのPDがもつ長年の経験と知識をもってクライアントから頂くアドバイスを反映していきます。
● 弊社が持つFMスクリーンの技術を使って実物に近い印刷を可能にします
● 作品の色味については、美術館の担当学芸員の方より確認と丁寧なアドバイスをいただきながら、展示物の魅力を引き出すことが出来ました!
一般的に、「図録」という言葉は聞き慣れない言葉かと思います。ときに“展示会カタログ”と呼ばれることもあります。美術展や博覧会といった“その展覧会”に関する情報が体系的に掲載されています。(上映される映画のパンフレットのような存在といえばわかりやすいでしょうか)下記のような内容が掲載されています。
- 展覧会の主催者のコメント、開催の意図
- 展覧会に展示された作品に関する情報や写真
- 監修した学芸員の解説 などなど
『仏像 中国・日本』の図録では重要文化財24点を含む計71点が掲載されています。仏像の正面だけでなく側面の写真あって、背面まで掲載されている仏像もあるというマニアック。大阪市立美術館の学芸員の方の解説も掲載された内容になっており、資料としての価値も高い内容!
さて図録ですが、図録のレイアウト原稿(データ)と写真原稿(データ)を受けとり本紙色校正の調整を重ねて、ターゲットとする作品の色味にたどり着くことができました。
そこからようやく「下版⇒製版⇒印刷⇒製本⇒納品」といったプロセスを経て無事に納品。
仏像に関する図録をお仕事としていただくことは、とてもありがたいお仕事。さらには仏像を71点も掲載するという仏像を愛でる方々の手元に永きにわたって残る資料とあって身が引きしまるお仕事になりました。
展覧会をつくりあげていく学芸員やキュレーターの方々のアドバイスを頂きつつ、作品の魅力を忠実に再現できるよう画像処理や印刷製造することは苦労しますが(ターゲットとする写真の色味がでないときは泣きたくなります)、完成したときの喜びはなかなか大きいお仕事です。
高精細印刷と画像補正を突き詰めるプリンティングディレクターの力によって、高品質の図録づくりに貢献させていただきます。
ご用命をお待ちしています!
実施・納品時期: 2019年10月
※ 会社名・部署名などは取材および記事制作当時のものになります。
クライアント:(株)NHKプラネット近畿総支社
アカウントプロデュース・営業:中村 源信(能登印刷 大阪営業部)
プリンティングディレクター:山崎 剛(能登印刷 制作部)