NOTO-NO-NOTE事例紹介/コラム

図書館に所蔵されている貴重な資料をいつでも読めるかたちに。美しく撮影してデジタル化!│金沢大学附属図書館 様

  • 2023年11月29日
  • デジタルアーカイブ

のとのお仕事用 _デジタルアーカイブ

古い資料、貴重かつ希少な資料を「原本を劣化させることなく」「手軽に」「いつでも」手に取ることを可能にする「デジタルアーカイブ」。これまでも、弊社・ナレッジクライマー(能登印刷)でお手伝いさせていただいた「デジタルアーカイブ」をいくつか紹介して参りました。

▶ デジタルアーカイブ事例について詳しくはこちら

今回は哲学者・西田幾多郎の、研究者の間でも「幻の本」とされていた貴重資料の原本を含む金沢大学附属図書館所蔵資料を、高精細画像スキャナーを用いて丁寧にスキャン撮影し、いつでも閲覧できるようデジタルアーカイブした事例をご紹介します。

デジタルアーカイブお役立ち資料ダウンロード バナー

「幻の本」とも呼ばれた『西田代実在論及倫理学』をはじめとして、所蔵資料を見やすくデジタル撮影!


金沢大学附属図書館

「金沢大学附属図書館」様は石川県金沢市内に位置する図書館です。

同図書館は「地域と世界に開かれた教育重視の研究大学」という金沢大学の理念を支え、「卓越した知の創造」と学生の「自学自習」を促進するため、学術情報資源の収集、整理、提供、保存、発信に力を注いでいます。

その「金沢大学附属図書館」にて、2022年6月、哲学者・西田幾多郎の主著として名高い『善の研究』の一部の原本となる資料、『西田氏実在論及倫理学』の所蔵が、同館の駒井文庫の書架で確認されました。

当資料は研究者の間で「幻の本」とされており、20226月時点で所在が確認されているのは「金沢大学附属図書館」様の所蔵本のみで、大変貴重な書物の発見となりました。

本のイメージ

※画像はイメージです

これを記念して同館で企画展示したところ、学外からも多くの方が来館し、大変好評に。ぜひ多くの方々にみていただきたいと、「金大図書館時習基金」の使途のひとつに挙げられた「所蔵資料の保存修復及び貴重資料のデジタルアーカイブ化」という事業にて、デジタル撮影を行い、公開する運びに。

〇貴重資料コレクション:https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=40123

〇金大図書館時習基金:https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=24796

デジタルアーカイブを行うにあたり、

・見本の画像が高精細で美しかった
・近場にあり資料の長時間移動をする必要がなかった

といった理由で、弊社・ナレッジクライマー(能登印刷)にご依頼をいただき、『西田氏実在論及倫理学』をはじめとする、「金沢大学附属図書館」様に所蔵された貴重な資料をデジタル化させていただきました。

なお、『西田氏実在論及倫理学』の所蔵が広く世に知られたことを契機に、同館では所蔵資料を活用した調査、研究を支援する「お宝発見!プロジェクト」をスタートしました。このプロジェクトを通じて、発掘された資料のデジタルアーカイブ化を進めるとのことです。

「デジタルアーカイブ」の大きな利点をおさらいすると主に次の3つです。

・いつでも見たい時に、手間をかけず閲覧・共有、検索が可能となり、眠っていた文書と読み手との距離を縮めることができる
・古文書や歴史資料、ポジフィルム、重要書類など、貴重なものに傷をつけることなく非接触で閲覧が可能になる
・大きなサイズのものでも、場所を取ることなく保管が可能になる

なお、今回は、資料や書物を高品質にスキャンできるフェイスアップスキャナーシステム「ScanDIVA」を利用してスキャンさせていただきました。

さらに、長期間の保存に適したPDFファイルの規格であるPDF/A」(※文書ファイルのPDF形式の標準規格の一つで、長期的な電子文書の保存を目的に利用可能な仕様を整理したもの)に準拠した仕様で進めさせていただきました。

PDF/Aは、国際標準化機構によってISO 19005シリーズとして標準化されており、標準のファイル拡張子は他のPDFファイルと同じ「.pdf」となっています。

今回のデジタル化では、事前に営業・制作担当がお客さまとの打ち合わせを丁寧にさせていただき、仕上がりサンプルをご確認いただきながら、品質面においてスムーズに進めさせていただきました。

弊社・能登印刷の「デジタルアーカイブ」の特長

・印刷会社だからこその高品質アーカイブデータをご提供できる
・本を断裁するブックスキャンサービスとは違い、原本を断裁せずにスキャンをすることも可能
・印刷可能な高解像度データ、閲覧時に便利な「しおり」機能、電子ブック化対応などのオプションを選べる

フェイスアップスキャナーシステム「Scan DIVA

スキャンDIVA

フェイスアップスキャナーシステム「ScanDIVA」作業工程のイメージ ※実際の「金沢大学附属図書館」様の資料とは異なります。

Scan DIVA」の主な特徴

・原稿台に上向きにセットするため、スキャン面を確認しながら作業できる
・原稿の左右の高さが調整できるため、水平状態を維持できる
・ガラス板で上から軽くおさえ、スキャン面をフラットに読みやすい状態にできる
・スキャン面の状態をモニターで確認した上でスキャン実行できる
・フットペダルによるスキャン実行で手元が空き作業効率も高い

 

デジタルアーカイブ

「ScanDIVA」のスキャン工程イメージ画像 ※「金沢大学附属図書館」様の実際の資料とは異なります。

金沢大学附属図書館スキャン

今回お手伝いさせていただいた「金沢大学附属図書館」様のデジタル化の一部

デジタル化終了後、お客様からは、

「デジタル撮影専門の担当者が常在しており、デジタル化についての説明や対応が丁寧だった」

といった声をいただくことができました。

弊社にはこのフェイスアップスキャナーシステム「Scan DIVA」を用いて、原本を破壊せずそのままの形でスキャンし、資料として原本を遺すデジタル化の事例も多数ございます。

「書物を何年経っても綺麗なまま残したい」「貴重な書物を気軽にいつでも読めるようにしたい」「書物をデジタル化したい」。どんなご要望にも、ひとつひとつヒアリングしながらデジタル化を進めて参りますので、まずはお気軽にご相談ください。

制作:向江幸子(能登印刷 制作本部 文書情報管理士)
クライアント:金沢大学附属図書館 様
※ 会社名・部署名などは取材および記事制作当時のものになります。

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