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印刷物制作を効率化する自動組版とは?基本のキからすべて分かる!

  • 2024年9月9日
  • 一般印刷
  • 出版

印刷物や書籍などでは、読みやすいように誌面の組み方(レイアウト)に一工夫施されており、それを「組版」ということを以前の記事でご紹介しました。

▶︎ お役立ちコラム「組版とは? 印刷物をキレイに読みやすく品質を高くするために欠かせないもの!」

組版サムネ

今回は、その「組版」に関連して、「自動組版」について詳しくご紹介します!

自動組版とは?

印刷物を制作する際に、1ページずつ手作業でテキストや写真のレイアウトを組むのが組版でした。自動組版とは、手作業で行っていた組版作業を効率化したり、ミスを防ぐために、システムによって文字を自動で組むことを言います。テンプレートとなるレイアウトにデータや原稿を流し込み、自動的に印刷データを作成します。

案件の特徴や原稿に合わせた自動組版システムを都度構築するため、テンプレートを作成する際、文字の大きさの細かな指定や、画像は縦なのか横なのか、部署に合わせた体裁の変更などができ、比較的融通をきかせてテンプレートを作成し、自動でレイアウトをすることが可能です。

自動組版のメリット

自動組版には、以下のメリットがあります。

同じレイアウトのものやページ数の多いものはコストや手間を大幅に削減できる

今まで手作業で一つ一つ組んでいた作業をシステムで一気に行うため、当然作業時間は大幅に短縮できます。そのため、通常よりも作業時間で算出されるコストの削減につながります。ページ数の多いものは特に作業時間を削減することができるので、自動組版にとても向いています。

また、同じレイアウトの印刷物であれば、次回以降作成する際、レイアウトをそのままで中身を変えることができるため、こちらも制作コストを大幅に抑えることができます。

元のデータベースから繰り返しデータを作成・修正できる

手作業による組版は、一度原稿データからレイアウトデータにすると、修正をする際はPDFや出力紙に修正指示を書き込んで提出する必要があります。しかし、自動組版では、データベースがあれば何度も作成や修正をすることができるため、修正指示の手間が省け、さらに最新データの一元管理をすることも可能です。

ミスを削減でき、印刷物の品質向上につながる

組版作業をコンピュータで行うため、人為的なミスを削減することができます。あらかじめテンプレートを作っておけば、その通りにすべての体裁が自動で組まれるため、校正作業を軽減できるほか、印刷物の品質向上につながります。

印刷物のイメージに一貫性を持たせることができる

システムで作業することにより、作業する人によって誌面の構成が違うといったことを防ぎ、しっかりとイメージを統一させることができます。

Webサイトや電子書籍などへ展開しやすくなる

自動組版ではデータベースを構築するため、そのデータベースと連携することができ、HTMLのタグに変換することもできます。そのため、Webサイトや電子書籍に展開する際に便利になります。

Webシステムとの連携「オンライン名刺作成サービス」

また、Webシステムと自動組版を組み合わせた弊社の事例に、「オンライン名刺作成サービス」があります。Web上に名刺を作成するためのシステムを構築し、お客様がそのページにログインすると、名刺に記載する名前や部署などの情報を入れるページにアクセスすることができます。そこからいつでも名刺の情報を更新したり、新たに名刺をお客様自身で作っていただくことが可能なサービスを提供しました。

そのシステムにより、印刷会社に一回一回名刺を依頼しなくても、お客様の手で自動組版による名刺作成ができるようになりました。

自動組版のデメリット

ページ数が少ない場合は割高になる

制作作業のコストは削減できますが、自動組版を行う際にはシステム構築が必要になります。そのため、システム構築のコストはかかってきます。印刷したいもののページ数によって、システムを組んだ方が安くなるのか、手作業でやった方が安くなるのかは変わってきますので、お気軽にご相談ください。

初期導入に時間がかかる

自動組版は初回導入時にシステムを構築するため、初回は時間がかかってしまいます。しかし、一度導入してしまえば、作業自体に時間はかからないので、2回目以降の制作では大幅に時間短縮をすることができます。

パターン化できない複雑なレイアウトや細かい条件のある制作物には対応が難しい

自動組版はシステムで処理する分、イレギュラーな対応が必要な印刷物は難しい傾向があります。しかし、パターン化できる定型のレイアウトのものは得意としており、また、レイアウトが不定型だとしてもテキストがパターン化していれば、スタイルシートを当ててタグ付けをすることで、体裁を自動化することが可能です。

自動組版に向いているもの

・商品カタログや情報誌、大学シーズ集などのページ数が多いもの
・定期刊行物や名刺などの繰り返し印刷・発行されるもの
・商品カタログや大学学位記などの定型のレイアウトのもの

・アパート情報誌などのWebとの連携が必要なもの
・一度作ったフォーマットで、内容を変更して使い回すもの

自動組版はシステムやプログラムを使用してレイアウトを組むため、事前にレイアウトが決まっていたり、レイアウト作業が膨大であったり、あらかじめ確立された文字の規格などに基づいて配置する印刷物に向いています。

自動組版の流れ

ここで自動組版の流れを紹介します。

1.エクセルなどの表計算ソフトで原稿を入稿、または、Web上の入力フォームにて入稿

ここでエクセルやCSVデータを用いて、原稿と画像ファイルを入稿します。お客様はこれだけで入稿が完了しますので、自動組版だからといって難しい作業をしていただく必要はございません。

2.データベースに取り込み・自動組版処理

今までは手作業でやっていたレイアウト作業を、あらかじめ作成したテンプレートに自動で流し込みます。

3.印刷・PDF化

出来上がったレイアウトをもとに印刷をして完成。

自動組版の活用事例

弊社・ナレッジクライマー(能登印刷)でお手伝いさせていただいた、自動組版の事例をご紹介します。

株式会社のうか不動産 様 「金沢ひとり暮らしガイド2024」

株式会社のうか不動産 様の「金沢ひとり暮らしガイド」は、「ひとり暮らし初心者に日本一やさしいガイドブック」をテーマに、石川県金沢市でひとり暮らしを始める学生へ向けて発行しているガイドブックです。「金沢大学ひとり暮らしガイド」も発行しており、こちらは金沢大学近郊でひとり暮らしをする学生向けとなっています。

賃貸・アパート情報は掲載する情報やレイアウトがほとんど決まっているため、パターン化しやすいという特徴があります。そのため自動組版にとても向いており、ページ数が多く量が多いアパート情報を、自動組版にて効率よく制作しています。

この冊子では登録したエリアごとに色が変わるようにシステムを構築し、エリアごとの情報が分かりやすいように工夫しました。物件ごとに番号が割り振られており、その番号に合わせて素材を登録することで、画像や図面が自動的に組まれていきます。

このようなガイドブックや情報誌といった、細かな情報が多く掲載されるものにも自動組版は適しています。

国公立大学 様 学位記

※画像はイメージです

弊社では大学様の学位記の制作も自動組版でお手伝いさせていただいております。学位記の場合、留学生などさまざまな国籍の、多くの学生の名前を刻みます。そのため、英語表記であったり、漢字表記であったりと体裁が様々で、手動で組版を行うのはとても煩雑になってしまいます。

そこで、国籍を選択するとその体裁に合わせて自動的に名前や生年月日(西暦か和暦か)などを組んでくれる自動組版システムを構築し、非常に効率的に制作することができました。名前で使用される難しい漢字や旧字体(例:「斉」「齋」「斎」など)も、原稿に沿って入れ込むとしっかりと自動で正しく表記することができます。

 

その他、賞状や名簿、大学や企業の名刺、チケットのナンバリングや宛名など、幅広くお手伝いさせていただいております。

自動組版は石川県の印刷会社・能登印刷にお任せください

弊社・ナレッジクライマー(能登印刷)では、通常の印刷物はもちろん、自動組版のシステム構築から印刷までお手伝いさせていただくことが可能です。石川県の印刷会社ですが、もちろん、全国対応させていただいております。

お客様の印刷物やご要望に合わせて丁寧にヒアリングし、料金や仕様をご相談させていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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