「デジタルアーカイブ」とは? 今さら聞けない文書電子化の基本
- 2023年12月14日
- デジタルアーカイブ
そんな中、注目されているのが「デジタルアーカイブ」です。
デジタルアーカイブにおける
企業や自治体が抱えている課題とは?
企業や自治体が抱える課題には、
・アナログからデジタルへ移行する前の、紙の資料が大量に保管されていてスペースを取っている
・資料がA3、A2、A1など非常にサイズが大きいため、簡単にスキャンすることができない
・保管資料を探し出すのに時間がかかる
・デジタル化したいが貴重資料の原本を破壊したり傷をつけたくないため、なかなか踏み切れない
・そもそも資料の存在すら知られていないことも多いので、資料をさらに活用して、広く多くの人に見てもらいたい
などがあります。
日々の業務の中で削減したい「非効率」や、意外と困る貴重資料や書物、大きなサイズの資料、持ち運びしづらい資料の保管・・・。これらをすべて解決し、スマートに保管できるのがこの「デジタルアーカイブ」で、企業や自治体、図書館などの公的機関や法人で、積極的に活用する方が増えています。
今回の記事では、そんな「デジタルアーカイブ」の基本について、できるだけ詳しく分かりやすくまとめましたので、メリットを押さえながら解説いたします。
デジタルアーカイブとは?
「デジタルアーカイブ」とは、デジタル技術を用いて作成されたアーカイブという意味で、技術やノウハウ、文化を継承させる知的財産や業務の資料などを保管・活用する際、貴重な原本を綺麗に長期保存・保管しながら、その情報を簡単に共有し、スピーディに検索できるようにデータ化することを言います。
「貴重な資料を必要なときに閲覧できるようにしたい」、「書類・資料を素早く検索、参照したい」、「現在の資料保管スペースを有効活用したい」、「貴重な資料の原本を破壊せずに多くの人に見ていただきたい」などのお悩みに対し、デジタルアーカイブとしてデータ化すれば、情報を「資産」として、効率的に管理・活用することができます。
▶ 「デジタルアーカイブ」お役立ち情報の詳しい資料をダウンロードする
デジタルアーカイブのメリットは?
業務・作業を飛躍的に効率化できる
大量の書類から目当ての情報を探すのにかかっていた時間を削減できます。デジタルアーカイブをする際、「OCR」(紙に書かれている文字を認識し、デジタル化する技術)の索引データベースを構築し、検索をかけられるようにすると、業務がグッと効率化します。
また、資料を紙でコピーして共有するよりも、データで共有することでコストを抑えることができ、さらに保管に取られていた多大なスペースの削減をすることも可能です。
まとめると、時間・作業・スペースのすべてのコストを削減することができるのがデジタルアーカイブの大きな特徴です。
貴重な文書や資料の劣化・紛失を防ぎ、原本を非接触で保管できる
資料を一度デジタル化してしまえば、何度も取り出して閲覧する必要がなくなるため、貴重な原本を保管しながら、一度に多くの方にご覧いただけます。
多くのブックスキャンサービスは本を断裁してスキャンするため、原本を破壊する必要がありますが、弊社・能登印刷が導入する「非接触スキャナ」を用いると、貴重な原本を傷めずそのままデジタル化することができます。そのため、デリケートな作品や書物の原本を押し付けたり断裁する必要はありません。
必要な時にいつでも・どこでも閲覧できる
所蔵されている施設や倉庫など、特定の場所に行かないと閲覧できなかった紙の資料も、デジタルの媒体さえあれば、遠方でもいつでもどこでも参照することができます。
さらにインターネット上で公開することで、情報共有の幅を一気に広げることができ、より多くの人に拡散、簡単に閲覧していただくことが可能になります。
資料の加工や編集・補正が容易になり、活用しやすくなる
資料をデータ化すれば、加工や複製を容易に行うことができるため、色の復元・補正や音声・解説の追加などで資料をより活用しやすく、綺麗に、分かりやすくすることができます。
情報共有の用途に合わせてデータの形式を変えるなども、臨機応変に対応することが可能です。
デジタルアーカイブのデメリットは?
データが膨大な量になったり消失してしまう恐れがある
デジタル化すると、実体のない「デジタルデータ」となるため、消失してしまう可能性があるので慎重に扱わなければいけません。また、データはないように見えますが、大量にデジタル化を進めるとデータ容量が膨大になり、圧迫する可能性があります。事前にバックアップを取るなど、管理方法を徹底して取り決める必要があります。
著作権や肖像権の取り扱いに注意する必要がある
基本的に、文章や絵画などの著作物には著作権が関わり、個人の顔が写った写真や映像などは肖像権が関わってきます。デジタル化したデータを公開・共有する場合は、注意が必要です。二次利用の条件や、閲覧・保存についてなど、規約をしっかりと取り決めて明記しておきましょう。
◎データはどのように保管すればいいか?
先ほど、「データが消失してしまう恐れがある」と述べましたが、データを長期保管するにはどのように対処すればいいのでしょうか?
データの長期保存のひとつの手として、「長期保存Blu-rayメディア 書込専用/検査測定専用 光学ドライブ(Pioneer社製)」というものがあります。それにより、「電子化文書の長期保存方法」に関する規格であるJIS Z 6017に準拠した光データディスクを作成します。
当社では、同規格に完全準拠した書込専用光学Blu-rayドライブ及び検査測定専用光学Blu-rayドライブで、歴史的・文化財資料、公文書・行政文書、論文・研究データ、映像・写真など、長期保存が必要である貴重な資料を、推定200年以上、長期にわたり記録保存することができますので、お気軽にご相談いただければと思います。
デジタルアーカイブの費用は?
弊社・ナレッジクライマー(能登印刷)におけるデジタルアーカイブの費用は、
・オフィス文書などは30~50円/1ページ・1枚(モノクロ・カラーで変動あり)
・非破壊のスキャニングで120円~170円/1ページ・1枚(A3までのサイズ)、A3を超えるサイズは2000円~/1ページ・1枚
・非破壊の複写撮影で250円~3300円/1ページ・1枚(A2~A0サイズ)
となっています。
デジタルアーカイブ活用において
さらに意識したいポイントは?
高品質なデジタル化データでの継承・活用
デジタルアーカイブにおけるスキャニング作業は、データの品質向上において一番と言っていいほど重要な作業です。技術や貴重な資料を継承し保管していくにあたり、閲覧のしやすさや綺麗な状態で残っているか否かによって、かなり活用のしやすさが変わってきます。
せっかくデジタルアーカイブとして残していくなら、デジタル化して終わりではなく、しっかりと活用していきたいものです。そのため、いかに高品質でデジタル化するかが重要になってきます。
▶ 弊社・ナレッジクライマー(能登印刷)の高品質なデジタルアーカイブ
大きなサイズの書面はどうするか?
設計図など、資料によってはA1サイズ、A0サイズなどかなり大きなものもあるかと思います。
大きな資料の保管は場所も取りかさばるため、一刻も早くデジタル化してしまいたいところですが、大きな資料のスキャニング業務はそのサイズに対応したスキャナーが必要だったり、あるいは高解像度カメラで複写撮影し、合成作業を行うなど高度な技術が必要になってきます。そのため、デジタルアーカイブへのハードルが上がってしまうのも事実で、業者選びが重要になってきます。
スキャンのサイズでお困りの方は、弊社・ナレッジクライマー(能登印刷)にお任せください。大きなサイズに対応したスキャナーを取り揃えており、A0サイズまでのスキャンが可能ですので、お気軽にご相談いただければと思います。
活用方法に合わせたデジタル化を
デジタル化する際に意識したいのは、そのデータをどのように活用していくかをしっかりイメージすること。
・データをさらに印刷して原本の複製レプリカを作成したい
→より高解像度なデータが必要となるため対応する
・効率的に閲覧したい
→「しおり」機能をつけたり、データベース索引を導入して簡単に検索できるようにする
・長期の保管でデータの破損のリスクを下げたい
→長期保管用メディアを作成する
・電子書籍として活用したい
→電子書籍化への対応や専用のデータ作成をする
ただデジタルアーカイブをするだけでなく、このように目的を意識することで、より活用しやすい機能やデータ作成をすることができます。
デジタル化したデータの活用例
活用例としましては、古文書・歴史資料の複製作成とデジタル化や、大きな設計図や図面のスキャン、冊子・書籍の原本をスキャンしてデジタル化など、様々なものがあります。デジタル化した後に書籍化することも可能です。
古文書・歴史資料のデータ活用
自宅や企業、倉庫に長く眠る歴史的な資料や、古文書・巻物などをデジタル化できます。解読しにくいものは、読みやすく画像処理等も可能。デジタル化したあとは、行政などと連携して企画展や図書館などで公開することもできます。日の目を見なかった多くの人の目に触れて価値を見出されています。
重要書類のデータ活用
紛失や探すのに時間がかかっていた書類もデジタル化すれば解決します。漏洩対策として、許可された者だけが閲覧できるようにデータに鍵をかけることもできます。
設計図・図面のデータ活用
設計図や図面のデジタル化で業務を効率化しておられます。大きなサイズやサイズがバラバラでも一元管理ができるため、保管・共有・検索がしやすくなります。保管に使っていた倉庫代を浮かせたり、物置を有効活用しておられます。
冊子・書籍のデータ活用
冊子や書籍の原本をデジタル化することで、原本を傷つけずに、どこでも誰でも気軽に読むことができるようになります。図書館や書庫に保管されている貴重な書籍などをデータ化する事例が多くあります。
会社資料・ファイルのデータ活用
会社資料やファイルも重要書類と同様に、保管がしやすくなったり紛失や損傷を削減するほか、社員への共有や閲覧参照も容易になります。データ活用によって顧客のニーズやアプローチ方法を分析し施策を生み出したり、業務を効率化することができれば売り上げや利益の向上にも繋がります。
契約書のデータ活用
契約書のデジタル化は、紙の契約書に代わって電子データに署名やサイン、印鑑を入力し契約を締結するというものです。インターネット上でやり取りできるため、紙の契約書を持参したり郵送する手間を削減したり、紙などのコストの削減につながります。
写真(ポジ・ネガ)のデータ活用
多くの写真をクラウドなどにデータ保存し閲覧・活用をしやすくすることはもちろん、眠っていた古い写真は画像処理を施し、見やすく修正することができます。創業当時の集合写真や社屋の写真などを周年記念サイトやWebサイトなどで展示・公開をすることで、当時の歴史や理念を伝えることができます。
カルテのデータ活用
病院で保管されるカルテは、紙だと膨大な患者さんの分をすべて棚で保管するにはスペースの問題があり、探すのも時間がかかります。デジタル化すれば探すのも容易になり、データベース化すれば、症状や状態などで細かく検索ができます。
デジタルアーカイブ活用事例は?
設計図のデジタルアーカイブ ホクショー株式会社様
倉庫に長らく保管されていた、手描きの大きな設計図をデジタル化させていただきました。業務の時間と保管スペースが減少し、飛躍的に効率化しました。
図書館資料のデジタルアーカイブ 金沢大学付属図書館様
図書館に所蔵された貴重資料を、原本を傷つけることなくデジタル化させていただきました。「幻の本」とも言われていた本が、多くの方にご覧いただけるようになりました。
文化財のデジタルアーカイブ 石川県金沢城調査研究所様
歴史的にも貴重な絵図史料を、大きなサイズのものまで精密にスキャンいたしました。デジタル化を行うことで原寸サイズで再現することができ、原物のような複製絵図も作成させていただきました。
美術館のデジタルアーカイブ 国立工芸館様
松田権六氏のモノクロのスナップ写真を、原物を劣化させずにスキャニング・デジタル化を行いました。見やすい形でお客様に鑑賞していただけるようになり、映像資料として活用していただきました。
デジタルアーカイブのお手伝いをさせていただきます
弊社・ナレッジクライマー(能登印刷)では、お客様のスキャン資料、ご要望や用途に合わせて丁寧にヒアリングし、高品質で高精細なデジタル化のお手伝いをさせていただいております。
▶ 弊社・ナレッジクライマー(能登印刷)デジタルアーカイブ詳細・料金について
大きなサイズの資料や美術館・博物館・図書館に所蔵される貴重資料・美術資料のデジタル化の実績も多数ございますので、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームにてお気軽にお問い合わせください。